ジョン・スミスのまともな投資日記

「普通の人」ジョン・スミスが、「そこそこ儲ける」ための方法を試行錯誤する日記です。

【IPO】ステムリム(4599)の抽選は見送ります。

ステムリム(4599)は、東証マザーズ上場予定の案件です。公募割れの可能性は「かなりある」と思われます。

1.スミス・サマリー:「なまもの注意」タイプ*1です。

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【初値期待】
 D(微益の可能性あるがマイナスか)

【当選期待】
 S(全プレの可能性も(80%~))

【スミス評価】
 DS「なまもの注意」(初値微損?・当選期待高い)
※あくまで「IPOとしての妙味」に関するスミスの個人的評価です。当該企業およびその従業員等を誹謗中傷することを目的としたものではありません。

【コメント】
 ポイントは「前代未聞レベルの仮条件引き下げをどう解釈するか」に尽きると思われます(赤字バイオの想定価格が当てにならないせいでもありますが)。
 大型案件の場合、仮条件引き下げ後大幅上昇になった例は少ないです。直近だと2017年12月にHANATOURJAPANが、-20%以上という大幅な仮条件引き下げを行い、そこそこの初値(+10%)を付けましたが、この引き下げは、上場ラッシュでの埋没が危惧される状況だったことが原因と考えられます。また、同社の主幹事みずほ証券では割引販売が一般的なので、みずほの仮条件引き下げは良くも悪くもあてにならないです。
 SMBC主幹事での大幅割引はかなり悪い印象です。SMBCは(販売力があるからでしょうけど)ふだん大幅割引をしてきません。したがって、SMBCはいつも以上に配分が難しいと考えていると受け取ってよいでしょう。想定価格では売れないと判断したからこその引き下げであって、したがって、この仮条件は「公募割れしない価格」というより「なんとか配分可能な上限価格」であるように思われます
 それと、公募株数に匹敵するほど数のストックオプションが安価で行使可能であることも懸念されます。仮条件を(半分近くにまで!)大幅に引き下げても上場させようというのは、売り急いでいる、換金目的である、出口案件であるという印象を強く受けます。
 需給次第なので、地合いが急激に改善すればもしかしたら初値上昇の可能性もあるかもしれませんが、少なくとも売る方(企業と証券会社)は四苦八苦しながら売りたがっているらしく、IPOで値段を高騰させるために必要な「勢い」はどこにも感じられません。小型なら引き下げのディスカウント感でなんとかなるかもしれませんが、これくらいの規模になると、大口の買いが入るか、個人投資家がお祭り騒ぎするかどちらかでないと厳しいでしょう。総合的に判断して、スミスは「初値プラスの可能性があるが期待値としてはマイナス」と考えて、初値評価D、スミス評価DSとしております。

 

 

2.予想当選確率と期待利益 *2

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 スミスの独自予想当選確率は以下の通りです。*3

幹事証券 予想当選確率
 SMBC日興証券  155%(全プレか) 
 みずほ証券   91.80%
 大和証券   36.45%
 岡三証券   10.87%
 楽天証券    6.75%
 野村證券    5.74%
 SBI証券    5.06% 

※その他の証券は予想当選確率0.20%以下か抽選無しの見込みです。

 なお、今回はD評価銘柄の基準で参加者を算出していますが、実際にはもう少し参加者が多くなって当選確率が下がる可能性があります。多少割り引いたうえで参考にしてください。

 主幹事のSMBC日興証券では全プレになりそうです。申し込みが多かった場合は100%を下回るかもしれませんが、それでも「全プレ」(=可能な限りで最大の当選確率になること。多くの証券会社では当選辞退の穴埋めのために一定の補欠当選を出すため、原則として当選確率100%にはなりません)にはなるでしょう。
 みずほ証券も、補欠当選を含めて「全プレ」になる可能性が若干あります。ただ、予想モデルにしたがって計算すれば「全プレ」ですが、スミスの感覚だとこの銘柄はもう少し参加者がいると思われるので、実際にはいくらか落選も出ると思われます。他の証券はどれも似たり寄ったりです。

 初値期待はマイナスですので、期待利益は算出していません。

 

3.スミスの参加スタンス:見送ります

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 本銘柄は当選期待は高いですが、初値上昇の妙味は小さそうです。SMBCの仮条件引き下げは、「導火線に火のついている爆弾をなんとか押し付けようとしている」ようにも思われます。もし上がっても、大したことにはならなさそうです。
 スミスは見送り予定です。

    

 今回はこれくらいで。それでは、また。
                              J. S.

*1: 「当選期待」の基準は:S(80%~)A(10%~80%)B(3%~10%)C(1%~3%)D(0.5%~1%)E(~0.5%)。「スミス評価」の基準は:「大バーゲン品」→AS,AA,AB,BS,BA 「おいしいおやつ」→AC,BB「いつものランチ」→AD,BC 「高嶺の花」→AE,BD,BE「いぶし銀」→CS,CA 「水っぽいお酒」→CB,CC,CD,CE 「なまもの注意」→DS,DA,DB 「骨折り損のくたびれ儲け」→DC,DD,DE 「沈みゆく船」→初値期待E

*2:予想当選確率の計算する際の配分枚数・参加人数には推計を多く含んでおりますので、正確なものではありません。期待利益に関しても同様です。予想当選確率については、スミスは2~3倍程度の誤差範囲内に収めることを目標に努力しているつもりですが、特に公開情報が少ない証券会社では誤差が大きくなっている可能性があります。あくまで参考程度にご利用ください。

*3:計算対象の証券会社:野村、大和、SMBC、みずほ、三菱、マネックス、楽天、東海東京、岡三、丸三、岩井コスモ、松井、むさし、カブドットコム、エイチ・エス、内藤、藍澤。参考程度に、岡三オンライン、ライブスター、SBIも一応観察はしています。なお、カブドットコム証券以外の委託幹事は、当選確率が極めて低いことが分かっているので、幹事入りしていても原則記載していません。