ジョン・スミスのまともな投資日記

「普通の人」ジョン・スミスが、「そこそこ儲ける」ための方法を試行錯誤する日記です。

【IPO】ソフトバンクIPOで「全プレ」が期待できる証券会社は?――日本郵政のIPOを参考に

 ソフトバンク(9434)は東証1部上場予定の超大型案件です。公募割れの可能性はあると思われます。銘柄の評価については別記事で。

 ※12/3追記
 SMBC日興証券での申込番号が150000を超えており、かなりの数の申込みがあることが判明したため、記述を修正しました。修正箇所は取り消し線を入れてあります。
 当選期待の度合いを引き下げましたが、ランク付けの順番は今のところ変更ありません。また、三菱UFJMSとみずほで「全プレの可能性が極めて高い」という見方も変えていません。

 

※12/12追記(結果発表)
Twitter等を見ていると、
全員当選?(完全全プレ)→三菱UFJMS
全員が補欠当選以上(全プレ)→野村、SMBC、大和、みずほ、東海東京
落選あり(抽選になった)→松井、マネックス、岡三、岡三オンライン
不明→岩井、カブコム
でした。
東海東京証券は抽選になると予想していましたが、外しました。他はおおむねスミスの予想通りだったようです。

 

 今回は、「IPO当選予測職人」の意地にかけて、「当たりやすい証券会社」がどこなのかを本気で検討しました。 いつもは確率で出すのですが、今回はいろいろと規格外すぎて、機械的に数字を出す意味がないと思われるので、ランク付けによって評価しました。

 なお、スミスが最も参考にしたのは、2015年11月の日本郵政のIPOです。過去のIPOの配分状況は、以下のページで公表されています。

新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況 | 日本証券業協会

 

  ソフトバンクは全プレにはならないかも?と言っている人たちがいますが、スミスはそんなことはないと思います。

 確かに、ソフトバンクのIPOは配分できないということはないでしょう(そんな大失態になったら、いったい何人の首が飛ぶことになるのか…)。けれども、それは「配分できる」というだけで、「完全平等抽選で倍率が1倍を超える」ということと同義ではありません。

 例えば、日本郵政の時は、野村證券、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJMS証券で、完全平等抽選への割当が10%を下回りました(※大和証券は普段15%ですが、約11%でした)。当選枚数に対して十分な申込がなかったわけです。

 実際には、補欠当選などの都合があるので、本当に全員にプレゼントされたわけではないでしょうが、ここではこの「完全平等抽選で倍率が1倍を下回る」状態を「全プレ」と呼ぶことにします。

 「完全平等抽選で倍率が1倍を超える」ためには、個人への配分枚数の10%を超える申込数が必要です。例えば、今回の場合、三菱UFJMS証券では「ネットだけで」17万人くらいの申し込みがないといけないのですが、この証券会社ではそれは「ほぼあり得ない」と言い切れます。

 それでも「配分できる」というのは、残り90%の抽選でない部分(裁量配分)で配分できるという意味にすぎません。実際、日本郵政の時も、「個人完全平等抽選で配り切れなかった分を裁量配分で配る」ということが、多くの主幹事証券で行われました。確かに3年前の日本郵政の時よりもIPOが人気化しているということは事実ですが、ソフトバンクは日本郵政よりも大規模ですし、またSMBC日興証券などからわかるIPOの申込数の変化を見ていても、IPOの申込みが日本郵政の時の5倍になるとかいった状況は考えにくいです(追記:ソフトバンクは日本郵政と比べてもかなり申し込みが多いようです)。

 

 とはいっても、すべての証券会社で等しく全プレが期待できるわけでもありません。――スミスの仕事は、「本当に当たりやすい」証券会社を見つけてくることですから、以下で、それを検討してみました。

 何らかの参考になれば幸いです。

 

当選期待S(全プレ期待非常に高い)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券

 三菱UFJMS証券は、企業の大きさと比べて顧客が少ないです。すなわち、配分枚数は多いのにIPO抽選の申込みが少なく、IPOで本当に穴場になる証券です。
 これまでも、三菱UFJMS証券は日本郵政の時に個人抽選枠での「全プレ」を行っております。各証券は、個人投資家への配分枚数のうち10%を個人完全平等抽選に回すことになっているのですが、日本郵政の時は十分な申込数がなく、結局、個人割当の2.6%しか抽選に回しませんでした。つまり、倍率は0.26倍、「定員割れ」でした。
 今回、ソフトバンクでは日本郵政の2倍近い配分がありますので、申し込みが日本郵政の時の「8倍」以上あれば抽選になります。しかし、この証券は広告も全然していないので、IPO目的の顧客が激増しているとは思われず、したがって「全プレの可能性が極めて高い」と考えられます。

※三菱UFJMS証券がそれでも多くの配分をもらえるのは、この証券会社には、数万株単位でIPOを引き受けてくれる顧客がたくさんいて、ちゃんと配分できる力があるからです。実際、日本郵政の時も、100枚以上の裁量配分を受けている人が大量にいます。

みずほ証券

 みずほ証券も、三菱UFJMS証券とほぼ同じです。日本郵政の時の倍率は0.34倍(定員割れ、全プレ)でした。ソフトバンクの配分枚数は日本郵政の時の5倍以上になりそうで、したがってこちらも「全プレの可能性が極めて高い」です。
 スミスの管轄外ですが、この証券会社は裁量配分の枠を配り切れるんでしょうか…? たぶん、主幹事の中で一番配分に苦労するとしたら、みずほ証券だと思います。何とかなるんだとは思いますが。裁量配分をもらいたい人は、みずほ証券が一番の狙い目かも?

 

当選期待Aa(抽選になったとしてもあたりやすい)

SMBC日興証券

 SMBCは申込人数がどれくらいいるのかわかっています。直近ではメルカリで10万人弱でしたので、その2倍以上の申込があれば抽選になると思われます。
 ただ、メルカリに参加しなくてソフトバンクには参加する、そういうスタンスの人がSMBCのネット口座にどれくらいいるのか(※SMBC等では、店頭口座は個人完全平等抽選の対象ではない)、ちょっと疑問です(追記:初日時点で申込数が15万をこえているので、抽選になる可能性があります)。
 もし仮にお祭りが過熱して、メルカリの時の4倍くらいの申込みがあったとしても、当選確率は40%くらいありますので、「当選確率はかなり高い」と言えるでしょう。

大和証券

 大和証券もほぼ同じ状況と思われます。しかも大和証券はSMBCよりも配分枚数が多く、個人完全平等抽選に「15%」割り当てている(=当選枚数1.5倍)ので、SMBCの2倍近く申し込みがない限り、SMBCより当選しやすいと考えられます。したがって、SMBC日興証券と同様、「当選確率はかなり高い」と言えると思います。

 

当選期待Ab(複数配分あり得る)

SBI証券

 SBI証券は、資金枠によってIPO抽選の倍率が過大(異常?)な状況になっているため、ちょっと未知数なところが大きいです。ただ、IPOに申し込んでいる「人数」は、50万人よりは少ないと考えられ(SMBCのメルカリでも10万人に届きませんでした)、またこれまでの配分実績から勘案すると、SBIは資金によって倍率は変動しながらも、原則として「一人一セット」の配分を優先している(資金をつぎ込んでも「複数配分」は難しい)と思われます。
 おそらくSBIは当選1セットを200株以上にして配ると思いますが、それでも申込した人にはおそらく「全プレ」になるのではないでしょうか。SBIインシュアランスのときには補欠当選連発であったことを勘案すると、SBIにはこれだけの枚数を配る力はまだないと思っています。200株以上の配分をもらいたいのであれば、SBIはかなり有力だと思われます。

野村證券

 野村證券は「当たりにくい」と言われていますが、それは「申込資金不要」であるから、猫も杓子もみんなとりあえず申し込んでいるのが原因だと思います。したがって、ソフトバンクのように人気化したからと言って、申込数が普段よりも爆増するというのは考えにくいです。普通のIPOの2~5倍くらいにはなるかもしれませんが、おそらくそれでも配り切れない程度の配分枚数があります(追記:SMBCの申込数が予想外に多いので、野村證券でも抽選になる可能性が高いです)。
 野村證券は申込口数を200株にしていますので、複数配分もらいたい方はかなり期待できると思います。

 

 当選期待B(当選確率高め)

岩井コスモ証券

 岩井コスモ証券は、日本郵政の時は全プレにはならなかったのですが、ソフトバンクでの配分は日本郵政の時の5倍くらいになっており、抽選枠で「定員割れ」する可能性もあると考えています。裁量配分の方も結構大変な気がするのですが…。
 そうした状況から、岩井コスモ証券は「当選確率が高め」と予想しています。

カブドットコム証券

 カブドットコム証券は、親玉である三菱UFJMS証券の気分によって、どれくらいの配分があるのかが変わっていきます。というか、カブドットコム証券には裁量配分がないので「配り切れない」というのはないです。したがって、配り切れない枚数を委託されることはないでしょうから、抽選にはなるはずです。
 しかし、日本郵政の時はカブドットコム証券に申し込んだ人はかなりの高確率で当選していた模様ですので、抽選倍率はかなり低かったと思われます。それに、今回は三菱UFJMS証券の配分も日本郵政の時より多いので、カブドットコム証券に回される枚数もかなり多くなると思われます。
 したがって、主幹事以外では、カブドットコム証券は「当選確率が高め」であると思われます。

 

 当選期待C(中規模IPO主幹事くらいの当選確率?)

東海東京証券・岡三証券

 これらの証券会社は日本郵政の時もきっちり抽選しましたし、ソフトバンクでも配分がかなり少ない方なので、全プレにはならないでしょう。下手なIPO主幹事の時よりは当たりやすいという程度でしょうか。

マネックス証券・松井証券

 普段よりは圧倒的に当たりやすいとは思いますが、配分枚数の少なさを考えると、抽選になるのはほぼ確実だと思います。

 

当選期待F(いつもよりは当たりやすいだろうけど…)

岡三オンライン証券

 日本郵政の時の個人完全平等抽選の当選枚数は「6枚」でした。また、今回、親会社の岡三証券への割り当て枚数は少ないです。申込資金不要なので、時間以外に損するものはありませんが。

 

 

  結論から言うと、三菱UFJMSとみずほはおそらく全プレ、それ以外の主幹事は抽選になったとしても比較的高めの当選確率になりそうです。カブドットコムと岩井コスモも、当選期待は高めです。それ以外の証券は、それなりの倍率の抽選になると思っておくのがよさそうです。

 

 

 今回はこれくらいで。それでは、また。
                               J. S.