ジョン・スミスのまともな投資日記

「普通の人」ジョン・スミスが、「そこそこ儲ける」ための方法を試行錯誤する日記です。

【IPO】ソフトバンク(9434)の抽選は見送ります

 ソフトバンク(9434)は東証1部上場予定の超大型案件です。公募割れの可能性はあると思われます。

 当選期待の予測は別記事にて行いましたので、そちらをご覧ください。

www.smith-fund.net

 

 スミスは、以下の理由から「割に合わない」と考え、不参加の予定です。

 

1それほどは利益が出ない

①公募のプレミアムは「ほぼゼロ」なのでは?:初値買いの減少?

 ソフトバンクのIPOの国内での配分枚数は1500万枚です。最近の大型上場案件では、2017年のSGホールディングスで55万枚、2016年のJR九州で120万枚、2015年の郵政三社合計でも1000万枚弱でした。もちろん公募価格が違うので吸収金額は変わってくるのですが、ソフトバンクのIPOがいかに規模が大きいのかよくわかります。

 

 これほどの規模になると、少なくない証券会社で「抽選」という名の実質的「全プレ」が行われることになると思われます。そもそも、普通のIPOで、公募組が儲かる最大の理由は、「抽選」という関門(公募プレミアム、アドバンテージ)があるからです。けれども、今回はそのアドバンテージがありません。

 欲しい人は誰でも(何口かは)買えるのであれば、セカンダリで買う(上場後に買う)理由が乏しくなってしまいます。ポイントになるのは、セカンダリで誰が買うのかということです。そして、スミスはセカンダリの買い手は多くないと考えています(いずれはファンドの組み入れ買い圧力になるでしょうが、それは上場後しばらくたってから行われるものです)。

 

 

②個人投資家へのバラマキ:初値売り増加?

 スミスが最も気にしているのは、日本郵政の時と違って、今回、裁量配分の傾向が強い対面証券がすべて外されているということです。いちよし証券、丸三証券、立花証券、極東証券、エース証券といった証券会社がいません。 

 これらの証券会社は、良くも悪くも古いタイプの、比較的長いスパンで株を運用する投資家が多い証券会社であると思います(株を高速回転させたい人たちには、もっといい証券会社がありますし)。日本郵政の時は、多くはないけれども少なくもない割合が、藍澤証券とか東洋証券などの(ちょっと古いタイプの)対面証券にも流れました。こうした証券会社で配分をもらった人々は、おそらくそれなりに長期での保有スタンスを持っていたと考えられ、初値売り圧力を減らすことに一役買っていたともいえます。

 今回、ソフトバンクはできるだけ多くの「個人投資家」に買ってもらうことを目標にしていると聞きます。また、実際ソフトバンクを買おうとしているのは個人投資家であるようです。

 けれども、こうした(特に小口の)個人投資家が占める割合を増やすのは、あまりいいことばかりではないと思います。なぜなら、まさにスミス自身もそうですが、初値で売って儲けようという短期的な参加者が増えることになるからです。

 三菱UFJMS証券とかは中長期ホルダーが少なくないかもしれませんが、SBI証券などは、これまでの「PO」での実績(※SBI主幹事のPO案件は結果がよくない明白な傾向がある。公募株引き渡し後すぐに売る人が多いためと考えられる)などから見ても、短期ホルダーが多いと考えられます。SBI証券は50%を抽選(+チャレンジポイント)で配りますので、かなり大きな売り圧力になるかもしれないと考えられます。

 今回の幹事団は、絶対に失敗しないために、確実に配り切れる証券会社、大口で買ってくれる個人投資家がいる証券会社が選ばれていると思われます。それはソフトバンクの方針でもあるようですし、実際配ることには成功するでしょう。けれども、安定した価格形成という意味では、少し不安があります。

 

③規模が大きすぎて上がりにくい、先行きへの不安、親子上場、公募無し。

 ソフトバンクの株価は、1円で時価総額が478億円に相当します。
 …これはとんでもない金額です。小型株が5倍になったりするのとは訳が違います。

 また携帯業界は先行きに不透明感が大きく、親子上場、公募無しの売り出しのみというのもマイナス印象です。また今回の売り出し後もソフトバンクGは過半を占めており、さらなる売り出し等による需給悪化の心配もあります。成長を期待するならソフトバンク本社の方を買うべきです。

 率直に言って、これらの理由から、スミスはあまり長期で保有したいとは思わないです。同じように考える人は少なくないと思われますから、初値で売りたい人が増え、値で買いたい人が減ると考えられます。

 

2.ほかにもIPOはたくさんある:機会損失を考える

 スミスの直感ですが、たぶんソフトバンクのIPOは公募同値か少し上になると思います(公募割れは幹事団によって全力で阻止されるでしょう)。

 しかし、ソフトバンクのIPOに全力参加すると、スミスのような零細投資家はすっからかんになってしまうので、他のIPOなどに参加できなくなってしまいます。一部参加だとしても、儲かる利益は知れています。

 

 一足早く上場するアルテリア・ネットワークスは、公募価格が仮条件上限を下回りました。この銘柄は、出口案件ということから、大幅上昇は難しいにしても、そこそこ成長性があり、利益も出ているし、割安でもあるので、超不人気化するほどではないと思います。これは、ソフトバンクに注目が集まりすぎているせいであるとスミスは考えています。つまり、ソフトバンクにみんなが注力するのであれば、ほかのIPOが手薄になるはずです。こうした(おいしい)IPOに参加できなくなることで、「機会損失」を生んでいます

 

 

 

 

結論。

スミスはソフトバンクのIPOは見送ります。1枚当たりだと大して利益が出ないだろうし、全力参加すると他のIPOをスルーすることになるからです。

 

資金に余裕のある方は、ぜひお祭りを楽しんできてください。

スミスはできませんので(笑)。

 

スミスの座右の銘は、「人の行く 裏に道あり 花の山」。

 

 

 今回はこれくらいで。それでは、また。
                               J. S.