ジョン・スミスのまともな投資日記

「普通の人」ジョン・スミスが、「そこそこ儲ける」ための方法を試行錯誤する日記です。

【IPOターシャリ投資】IPOターシャリ投資の可能性を模索する

 IPOは利益が出やすいですが、非常に当たりにくいです。そのため、株式上場直後、初値決定時に株式を購入する「IPOセカンダリ投資」というものを、勧めている人が少なからずいます。

  スミスは新興銘柄は基本的に全部初値売りすることにしています。それは、(特に最近の)IPOは、初値が天井になることが多いからです。

 極端な例だと、今年4月に上場したHEROZは、公募価格4500円に対して、初値は49000円と、とんでもない値が付きました。この上昇率はIPO史上でも最高であったようです。その後、株価はどうなったでしょうか?

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 ご覧の通り、当日からストップ安を付けながら株価は急落し、その後もじりじりと下げながら、現在(9/28終値時点)17650円となっています。もし、IPOセカンダリ投資を行って、初値で100株買って現在まで持ち越していれば、313万円もの含み損を抱えることになります。

 実際のところ、2018年6月までにIPOは41件(リート除く)行われましたが、そのうち上場日以降9月末時点で、上場日が最安値だった(≒初値以下で買う機会がなかった)銘柄はなんと3銘柄(SOU、ラクスル、IPS)だけです。もし長期で欲しければ、初値以下で買う機会はいくらでもあったということです。

 確かに、短期で見れば、上場後に急騰している銘柄もなくはないです。例えば↓のRPAや、ZUUなどです。

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 こうした銘柄を短期で保有していれば、数万~数十万の利益を上げることができたかもしれません。つまりIPOセカンダリ投資は、短期のデイトレードやスイングトレードで利益を上げることができる可能性を秘めいているといえます。

 スミスは、「長期的には実態は期待に勝利する」と考えています。株価は期待でも動きます。同業者の不祥事からの連想もそうですし、「IPOは上がる」というのも期待の一つです。しかし、期待は永続しません。実態が期待に追い付き追い越したりすれば、どんどん株価が上がっていくということはありえますが、単なる期待だけであった場合、バブルとなって必ずはじけます。

 

  逆に、期待が小さすぎて実態を反映していない、というケースがあります。それがあらわれるのは「公募割れしたIPO銘柄」です。

 IPOでは、上場日程が過密、吸収金額が大きい、地味銘柄、ファンドの売り出しなどの条件が重なると、たとえ業績が良好であっても公募割れすることがあります。2017年では、12月の上場のアルヒ、プレミアグループがそれに相当し、またHANATOURJAPANも、想定価格より大幅に割引されていたこともあって初値はややプラスでしたが、数日で公募割れ水準まで落ち込んでしまいました。

 これらが買われなかった理由は、期待が小さすぎたからだと考えられます。IPOというのはグングン上がるものだと思ってみんな買いに来ます。実際のところ、大型銘柄だと急騰は難しいです。IPOやIPOセカンダリで手に入れた人たち(特に初心者)は、伸びないとわかると、投げ売りし始めます。彼らは長期で持つ気がないからです。

 しかし、ある程度下がって下げ止まり、市場が閑散とし始めるのと同時に、今度は長期で保有したい人たちが少しずつ集まってきます。長期ホルダーが増えてくると、徐々に株価は持ち上がってきます。こうして、過小評価(期待が小さすぎる段階)から適正評価へ移ってくると、株価は上昇し始めます。スミスはこうした行動モデルを仮定してみました。

 さて、アルヒ・プレミアグループ・HANATOURJAPANのその後のチャートを見てみましょう。

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 これらの銘柄は上場後しばらく足踏みした後、ある時点から買われ始め、徐々に値を切り上げて上昇してきました。最終的にこの3つの銘柄はすべて底値から2倍以上の値段をどこかでつけています。「買われる瞬間」は、銘柄によって違っていて、アルヒの場合は半年ほどかかりました。プレミアグループの場合は上場日から徐々に上がり始めており、初値参戦(IPOセカンダリ投資)で成功していた例と言えます。

 このように、IPO後に公募価格以下までいったん下落した銘柄は、足踏み期間があったのちに少しずつ上昇しはじめていきます。ここで起こっているのは、ホルダーの入れ替わりです。このホルダーの入れ替わる足踏み期間に買いを入れるのがIPOターシャリ投資です。つまり、一番目プライマリ(IPO)でも、二番目セカンダリ(初値)でもなく、三番目ターシャリ(底値)を狙って投資するという方法です。

 この投資手法は、本質的には、IPO市場の歪みを利用しているといえます。というのも、IPOは本来長期的な株主の育成を目的にして抽選しているはずなのですが、最近は猫も杓子もIPOに参加するようになった結果、短期での売りが多くなっているので、初値または直後に高騰しにくい大型・地味・成長株が過小評価される傾向があるのです。

 スミスは現在、このIPOターシャリ投資の可能性を模索中です。適合銘柄数は非常に少ないですが、すでに結果(下落)が出ている分だけ、モデルに適合している可能性が高いです。

 

 今回は紹介だけなのでこれくらいで。
 続きはもう少し実証を行ってからまとめようと思います。それでは、また。
                                J. S.